昭和４０年０５月０７日　朝の御理解



　愈々信念が確固たるものになっていくと、ね、言うなら硬い心なんだ。その心が育っていく同時にその、反面に愈々自分の心は和らいだ心になっていくと、和らぎ賀ぶ心になっていく。それと反対に愈々私の信念、所謂不動の信念というものが育っていくと。信心によって私は育って行くと言う事は、ああそう言う様な、ああ事が育って行く事が信心が育って行く事だと思うんです、ね。
　どうでしょうか皆さん和らいだ心が愈々和らいでいきよるでしょうか。愈々確固たる信念が育っていきよるでしょうか。ちょっと何かがあればもうぐらつく、ね。所謂硬い心がないからです。ちょっと何かがあればもう腹が立つ、イライラする。和らいだ心が育っていきよらん証拠です。それでもですそれでも矢張り少しはそれが育っていきよると言う所に、信心の稽古の楽しみと喜びというものがあるのです、ね。
　そこでそういう確固たる信念が、又は和らいだ心が、いわゆる硬いものと柔いものが一緒に育って行くと言う事。どういう信心の過程を通って、辿らして頂いてそれが育っていくかと。程よい様しておるからどうとかなるだろう。それが風の風向きが悪くなってくると愈々不安になってくる不安にかられる。不安にかられるばかりでいいから不安にかられればかられるだけ、心配が出来て来れば出来て、あればあるほど神様に打ち向うて行く所の、信心修行がなされなければならんのだけれども、それをなされない、ね。まあどうやらこうやらでやっておると。
　それはどうとかなるだろうと、安易なその気持ちをです、ね、信心しておるから安心だと言った様な頂き方しておると、私は言う様な所にその突入して行った時に、それはもろい事になって来るとこう思う。どの様な中に突入していってもです、所謂愈々信念が硬く、ね、それを裏付けするように私の心の中には和らぎ賀ぶ心と円満な心というものが育っていきよると、有り難いというものが内容にあると。
　そう言う様なものがね、育っていかなければ信心さして頂く値打ちはないと思うんですが、皆さんどうですか毎日お参りさして頂いて漠然と。あの事を頼まんならん願わんならんから、頼みよる願いよる。それがおかげになったりならなかったり、矢張りおかげ頂く事は頂く、それは矢張りその確固たるものではなくてですたい、ね、だからその願わんより参らんよりよいと言う様な事がいう信心がです、ね、長々と続いただけではつまらんと私は思うんです、ね。
　一つの事が成就するために、一つの願いが成就するために、その道すがらという過程というものがです、どういうふうにして成就していくかと、昨日私夕方７時もありましたでしょうか、親教会にちょっとお礼に出らして頂いた、あるお願いがあったからで御座います。でまあ愈々ここの教務所関係の事、それから御造営の事、先生のご意見を頂かせて頂く、いた訳なんですけれども。
　その中にです教務所との関係の問題の事ですけれど、ついこの頃まで私が椛目の教会の皆さんと例えば豪語しておられたという先生がです、先日教区の委員会があった席上でです、〇〇という先生がこう言う事を言われたげなと言うて、その話を私にして下さるんです、ね、同じ先生なんですよ。ね「私が椛目を教会にせん、させん」と言うならば、そう言う様な事を言うておられた先生がです、それとは反対の事を今言うておられると言う事なんです。
　椛目の話が出たそうです、ね、その時にその先生が言うておられる事がです、それは親先生の話ですから間違いなかろうと思います。「椛目の大坪さんがね、皆さんどういう信心をしておるか皆さんご承知ですか」ち言うた。「話に聞く所によるとです、椛目の大坪さんはいつ寝ていつ起きるよるか分からん様な信心をさして頂いて、沢山な難儀な信者のために祈りぬいておると言う様な事を聞きましたが。
　果たしてここに並んどる先生方の中にそう言う事が出来ておる先生が一人でもおりますか」っち。と言うて言われたという話で御座います。私は本当吹き出してしまいました。何故ってそんな事ないですからねじっさい。私は５時に御祈念さして頂いて、晩の１１時に寝るんです、ね。いつ起きられていつ寝られるか分からん、んなら分からん位にです、一生懸命神様に御祈念をして難儀な信者の氏子のために、まあ一生懸命の信心と奉仕をしておるんだと。
　そういう先生がですこの中に一人でもありますかと、と言う事を言われたと言う事を聞かせて頂いてから、私はそれ聞いてから吹き出してしまいました「親先生、面白いですね」って、ついこの頃です、ね。椛目のために言うならば反対のことを言いよんなさった方が、もう本当に上げられたり下ろされたり（笑）、まあだけん金光様のごたる、ね。いつ寝ていつ起きるやら、分からんちゅうごたる信心は。
　私しよらんもんですから実際、ね。「もうとにかく親先生大体この、人が言うておると言う様な事やらはです、そんなもんですよ」と。ね。「人の噂っていうのはそんなもんですよ」と。よかっち言やあよか、悪かっち言やあ、もうとことん悪かと、ね。同時に結局私の信心を認識しておられないと言う事を感じるんです。成程私も皆さんがそういう、それを、んなら嘘ではありませんですよ。
　ほんな事私がいつ寝ていつ起きれ、本当に知った人ありますまいもん、家内でも知りませんもん。夜もなからなければ夜中の間、私起きて御祈念しよる事もありますもん、ね。だからまんざら嘘じゃありませんですよ。けれども私はそれが信心のために祈っておる願っておる、一生懸命御祈念をしておると言う事はお縋りするために私は座っておるのじゃないです、ね。
　御神前にぬかずかせて頂いたらです、お礼を申し上げてもお礼を申し上げても足りんこと、ね。信心もできんのにこんなおかげを頂いてもったいない。その有り難いとか勿体無いとかで、御神前を立たれん様な事は御座います。それはお願いせなんから座ったとじゃありはせんもん、ね。御結界の奉仕でもそうです。ここ例えが勿体無い代わりの先生方がみえても本当にもっとここに座っとったいごたる気持がある事も。
　それは神様のこんなご恩義なお願いしておるからそうせなならんというのじゃないです、私の場合は。そう言う所がです、例えば先生方の認識が椛目に対してまだ、ああ段々分かって頂きよるけれども、ないと言う事を思うんです。そうですよ皆さんがどういう例えば難儀な問題を持ってみえたからというと、お願いをしますね、私が私が修行は致しますからという私が改まりますから、どうぞ神様と言うてお願いを致しますけれども、その難儀な皆さんのためにです。
　私は夜通し御祈念をすると言う様な事は、それは昔の偉い先生方の中には話は聞いてきましたけれども、私の生き方は違うです、ね。いわゆる御祈念力というものです、御祈念力をもって例えば生きた木が還ると言う様なです、私は御祈念力も持ちませんし、またそういう御祈念も致しません、ね。修行中の時分はありました。大祓いの１０巻も２０巻も３０巻も、ね、あげ続けさして頂いてご神前に座って御祈念をした事は御座いましたけれども、今はそんな事した事は御座いませんです、ね。
　どこまでも私の心の中にです、愈々和らぐ心を頂く事のために、本気で改まらして頂こう、美しゅうならせて頂こうと言う事に願いを置く以外はないです。そこからですそれに比例したように私の心の中に愈々ますます硬い心、ね、不動の信念というかそういうものが培われていきよる事を自分ながら感じるだけです。そこで例えば今その例えばではないですけれども、ひとつの事が成就する事のためにです、それは丁度お鏡の餅が突き上げられてくるごた事と私は思うです。ね。
　どうぞおかげを頂かせて下さい、どうぞ今日赤、赤白の紅白のお鏡餅を下さいと言うて願うたからと言うて、お鏡ごと棚から落ちて来る様にして頂けるようなもんじゃあないということ。まずもち米が洗われなければならない。せいろの器がなければならない、火がかけられなければならない、ね、そしてそれが臼ん中に移されてなければならない。そして、使いこなされしていくうちにです、お餅が出来上がるのです、ね。
　火をかけられたというちゃあもう熱いと言い。つかれたからと言うちゃあこなされたからと言うちゃあ、こら大丈夫じゃろうかと言う様に、心がぐらつく様な事ではです、疲れれば疲れるほど、こなされればこなされるほど、確固たる信念が養われていき、愈々私の心の中には、有り難いと言う事をご神前に座って御礼を申させて頂きよったら、何時までたっても何時までたっても立ち上がれん位に私の心が有り難うなって行くと言う様なです。そういう信心に私は育っていかなければならないと言う事を思うのです。
　次に教務所の問題と同時にこのご造営の問題がお話に出ました「ちょうど昨日、親先生、星野の教会のご大祭」ですからここの前を通って今、あぁ千足からあの山越えでバスが行っておりますから、あれで行かれるんです。して行きがけにも「ははあここが椛目の敷地になるとこばいなあ」と思うて見てておったと。ね。
　本当に有難いことじゃあある、こんな広々とした所に、お土地が購入されておかげを頂いて有難いとこう、思うたと親先生が言うて下さいました。けれども思えば思うほどです、うん果たしてこげなこつば椛目が思い立ちよるが、これで本当に成就するじゃろうかと言うて、不安になったと言うておられます、ね。あんたん所の言うならせっかち軍、いわゆるその、急光鋒の人達がです、やあやあ言うてやりよるけれども、果たしてそれでよいだろうかと。私、その時申しました。
　「親先生最近の椛目の方達はです、急光鋒とかせっかち軍だけじゃありません。成程あのうここにこうしていかなければ、あぁ成就教会と言う事に、の成就になりませんので、ね。初めの間は幾人かの方達が一生懸命にならして頂いたが、最近では２００名からの実行委員が、ああ出来まして、ね、もう言うならば椛目うって一丸になって、その事にあたっております」と。「まあそんなら、まあ出来よいけれども」という意味の事を言われましてから、帰って色々考えて思うのです。
　果たして本当にそうだろうかと言う事です。果たしてんなら実行委員２００名人達が私が親先生に申し上げたように、うって一丸になっておるだろうか。本当に親先生が仰っておられるように、ただ一部の方達が「やあやあ」言うておるだけに過ぎんのじゃないだろうかと私は感じたんです、ね。愈々です椛目のそのご造営の事がもう愈々（右にもさっしにも）出来ん様な所に突入していきよるんです現在は。
　今日私善導寺に出がけに「正義さん」がやって参りました。そいで県からの調査が、今日１０時半からある事になっております。もう数日後に入札がございます。またあぁ現地の説明会が、その建築屋さん達に行われるようになっております、ね。お土地が買うた。土盛りをさして頂いた。まあそれは言わば内輪で出来たけれども、言うならこれからはもう他人の手に渡るわけなんです。
　皆さんどうですか。（？）じゃいけんですよ、ね。今日私が申しますように必ずなると成就すると。「そらもう親先生がお取次して下さるとやけんどうとかなろう」といったようなそういうね、そのう安易な気持は駄目です、ね。内々の場合はどんなにでも話はできますけれども、言わばそれが他人の手に渡ったらです、もう止めるわけにはいかんのです。だからね今のうちにです、やめるならやめるをはっきり意志表示をしなきゃ駄目です。親先生が仰る通りです。
　それこそ先日秋永先生のことをああして皆さんが頂いておられるように、ユウチを頂いて秋永先生が切腹せなならん様な事が起こりますよ、ね。この長いというのはです、確かに神様の願いに違いはないと感じることは今まで、例えばお土地の上においてでも、おかげを頂いてきたその、経路から言うてもです、神様もお働き頂いておるんだなあという、いよいよ確信を私は持たせて頂くのでございますけれども、ね。
　これから先の事はです、親先生に私はもう、実際申し上げてから後で感じたんです。「いいえ親先生最近の椛目の方達はです、言わばせっかち軍だけじゃありません、急光鋒の方達だけではありません。うって一丸になってその御用にあたっております」と言うて、申し上げては来たもののです、実際考えてみたら成程急光鋒の方達がやあやあ言うておるだけの事、ね。これでは私は事は成就しない、ね。
　お互いがですこの事を確信、おかげを私の上に現れて下さる神様がです、この事に限ってこういうふうに現れて下さっておるのであるから、愈々間違いがないという人達が集まって初めて出来るものです。銘々の上にです神様はこういう働きを下さりよるのだから、この事が成就しないはずはないという確信が愈々硬くなり強くなり、それに反して私の心の中には愈々信心の喜びというか、和らぎ和らいだ柔い心硬い心が一緒に育っていきよるという人達が集うて初めて、今度のことは成就すると私は思います、ね。
　ただあれがどげなふうにするじゃろかち言うてから、人の顔色どん見てるようではおかげになりませんです、ね。まあだ遅くはありません、ね、これが例えば何々組何々建築と言った様な所がです、やっぱり十件ぐらいは入札の場合に見えるでしょう、検討致します。沢山言うて見えよります。その中から選考して、ね、どこどこに頼むと言う事になりますでしょう、ね。言うなら神の手に渡すわけなのですよ、ね。
　それに中途半端な事があったんでは親先生がご心配しておられますようにです、椛目が始めたけれども、中途半端な事になってです、又お道の信心を汚すと言う様な事があってはならないと言う様な事をです、親先生が心配しておられます、ね。いいえそんな事はありませんと言うては、帰って来たものの私自身がです、ね、私の心の中にはひとつの硬い柔いが育っていきよりますけれども、ね、
　なら椛目の皆さんの信心の状態というものを長い目で見渡した時にです、果たしてこれでよいのであろうかと。ただその事に直面しておる人達だけが、やあやあ言うておるような状態であるとするならばです、これは事は運ばない。今晩は総代会がございます。総代会の席上でどういうふうな話になるか分かりませんけれども、もう（構造？）を決めてから、今夜の総代会には、総代さん方臨んで頂きたいと思います、ね。
　今なら遅くありませんです、ね。どうでもひとつ皆さんがです、ね、皆さんの言わばもう全ての力をです、ここに集中して神様にお縋りをさして頂く所のおかげを頂かなければならない時にあたっておると。信心が、ね、ただおかげを頂、その事が成就すると言う事だけが目的ではないと。その事を通して、私の心の中に愈々信心の手厚い心、いわゆる和らぎ賀ぶ心が育たして頂くと同時に、なるほどこちらがこういうふうな一生懸命の信心をさしてもらえれば、ね、
　おかげが頂けれるんだという確固たる信念が出来て行く事を願いとしての信心。そう言う様にです、おかげを頂いていくその過程においては、ただ今さっき申しましたように、ついこの頃まで椛目の悪口を言うておった人がです、反対に今度はまた褒め言葉をもって言うておられる。しかし事というのはそんなもんじゃないだろうかと、ね。良かちゃあ良か、悪かちゃあ悪か。ね。
　棒にも箸にもかけられんような気が致しますけれども、そこがいわば疲れたり、いうなら、こなされたりしておるのじゃなかろうかと私は思います、ね。そこん所を、私は頂きぬかせて頂いて初めてです、鏡餅が出来上がる様な、おかげになってくるその疲れておるから、上げたり下げたりされておるうちにです、時に私共が迷いを生じたりぐらついたり、和らぎ賀ぶ心がなくなったり、確固たる信念が揺らいだりする様な事があってはならんと言う事をまあ思います。
　　　おかげ頂かなければなりません。